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Anthony Lee - Jan 01 2020

クレマ徹底解説:
エスプレッソの黄金の泡は本当に重要なか?

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スプレッソを楽しむ人なら誰しも、理想のクレマを求めるものです。クレマとは、抽出したばかりのエスプレッソの表面に浮かぶ、黄金色の泡のことです。この繊細でクリーミーな層は「美味しいコーヒーの証」とも言われますが、単なる見た目の要素ではなく、コーヒーの科学的な側面とも深く関わっています。 しかし、クレマの重要性については意見が分かれるところです。本当に完璧なエスプレッソの指標なのか? それとも、過大評価されがちな特徴にすぎないのか? なぜバリスタはこれほどまでにクレマにこだわるのでしょうか? これらの疑問を解くために、まずクレマとは何かを理解する必要があります。

クレマとは?

コーヒーの世界で耳にする「クレマ」とは、エスプレッソコーヒーを淹れた際の、いちばん上の泡を指します。一般的な泡よりも濃密で、クリーミーに仕上がっている点が特徴と言えるでしょう。ちなみにクレマのつづりは「CREMA」で、英語でクリームのことを意味します。エスプレッソコーヒーの本場はイタリアですから、クリームではなくクレマと呼ばれるというわけです。簡単に言うと、高温・高圧で抽出された際にコーヒーの脂質と空気が融合し、黄金色の泡が生まれます。この現象は「ギネス効果」とも呼ばれ、まるでアイリッシュ・スタウトビールの泡のような見た目をしています。

美しく均一なクレマを作るためには、高品質なコーヒー豆、適切な挽き具合、そして熟練したバリスタの技術が欠かせません。ドリップコーヒーとは異なり、エスプレッソのクレマは味わいに深みを加え、余韻の長い後味を生み出します。

理想的なクレマの条件とは?

理想のクレマにはバリスタごとに異なる定義がありますが、一般的には「厚すぎず薄すぎず、約2分間持続すること」が求められます。 美しいクレマを作るためには、以下のポイントを意識することが重要です。

  • クレマの比率:クレマが多すぎると、液体部分が減り、バランスが崩れます。一般的には、カップ全体の約10%程度が理想とされています。
  • 抽出の適切さ:過抽出(オーバーエクストラクション)や未抽出(アンダーエクストラクション)は、クレマの形成に悪影響を与えます。
  • 持続時間:クレマが1分以内に消えてしまう場合、抽出時間が短すぎるか、豆の焙煎度が浅すぎる可能性があります。
  • 適切な抽出時間:高品質なエスプレッソマシンでは、適切な抽出時間は通常15〜30秒とされていますが、マシンによって異なります。
  • エスプレッソマシンの管理:抽出前の十分な予熱や定期的な清掃は必須です。汚れたマシンでは、コーヒーに苦味や雑味が加わる原因となります。
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クレマの形成に影響を与える要素

クレマの形成は、技術や経験だけでなく、以下の要因にも左右されます。

コーヒー豆の鮮度

焙煎したてのコーヒー豆ほど、クレマが厚くなりやすい傾向があります。これは、豆に含まれる脂質がまだ豊富で、抽出時に溶け出しやすいためです。焙煎所を併設したカフェのエスプレッソは、クレマがしっかりしていることが多いのはこのためです。

焙煎度合い

一般的に、焙煎が深くなるほどクレマの形成は難しくなります。これは、焙煎が進むことでコーヒーの油分が放出され、酸化によりクレマを形成する脂質が減少するためです。一方で、焙煎が浅すぎると十分な化学反応が起こらず、クレマが薄くなる可能性もあります。そのため、多くのロースターは、エスプレッソに適した焙煎度で豆を提供しています。

精製方法

家庭用エスプレッソマシンでは、業務用に比べて十分なクレマを作るのが難しい場合があります。特に、ワンタッチで抽出できる全自動マシンは、圧力や抽出時間の調整が制限されるため、クレマが薄くなりがちです。そのため、一部のマシンでは「フェイククレマ(人工的なクレマ)」を生成する機能が搭載されているものもあります。

エスプレッソマシンの性能

家庭用エスプレッソマシンでは、業務用に比べて十分なクレマを作るのが難しい場合があります。特に、ワンタッチで抽出できる全自動マシンは、圧力や抽出時間の調整が制限されるため、クレマが薄くなりがちです。そのため、一部のマシンでは「フェイククレマ(人工的なクレマ)」を生成する機能が搭載されているものもあります。

クレマは本当に重要なのか?

クレマが美しいエスプレッソは、一杯の完成度を高める要素のひとつですが、それが絶対的な指標とは限りません。確かにクレマは風味のバランスに影響を与え、見た目の魅力も増します。しかし、クレマが少ないからといって、美味しいエスプレッソではないとは言い切れません。

たとえば、近年人気の高まっているシングルオリジン・エスプレッソ(SOE)は、伝統的なエスプレッソよりも浅煎りの豆を使用することが多く、クレマが薄くなる傾向にあります。それでも、フレーバーの複雑さや香りの豊かさを十分に楽しむことができます。 結局のところ、コーヒーの本質は「味」と「楽しさ」にあります。たとえクレマが少なくても、コーヒー豆の品質、焙煎度、抽出技術、そして使用する機器の性能が味を左右します。

コーヒーは、私たちの日常に欠かせない存在です。気分をリフレッシュさせたり、特別なひとときを演出したり。クレマについての知識を深めたことで、次にエスプレッソを飲むとき、また違った視点で楽しめるかもしれませんね。